イギリス人は元々貯金をしない人種だと思うし、実際俗にいう労働者階級層は国民年金以上は将来に貯蓄を用意していた人たちは少ない、そういったその日暮らしの人が増えすぎたので、政府が2011年にイギリスすべての雇用主は雇用年金を提供しなければいけないという仕組みを作った。雇用主は社員の給料の3%を負担し、社員は給料の5%を自動で引き落としされ、毎月年金会社に振り込まれます、そこで年金会社は政府から20%のTax控除分を受け取って、社員のアカウントに振り込みます。
The National Employment Savings Trust (NEST) Corporation
政府がイギリスの中小の会社を含めて、できるだけ簡単に年金の払い込みをできるようにNestを作り、プロフィットベースではなく、すべての雇用主が無料で利用できるようなローコストの年金会社を作りました。
多分、こういった年金会社を作らずにスキームをスタートすると、幾つかの年金会社が不正に優遇されるようなケースを危惧して作ったのではないかと私は考えます。ただ、こういった仕組みを政府が作るとコストが発生して、これを誰かから回収しなければならなくて、それで取りやすい加入者である労働者から積み立て時に1.8%を中抜きしています。(ひどい話です)
Auto Enrollment
2,012年以前は、中小企業がワークプレースペンションをデフォルトでは提供してなかったので、政府が先導し自動加入スキームを始めました、これにより年間1万ポンド以上の給料をもらっている22才以上の人は自分が入らないという意思を示さない限りは自動的に入る仕組みにしました。(でも、実際、いるんですよね、入れない会社は今でも。。。。)
Work Place Pension
イギリスには厚生年金というものは存在しません、これに近いものがワークプレースペンションになると思います、ただ、国民年金の様に決まった金額が毎月貰えるわけではなく、自分のペンションアカウントに貯まったものを切り崩していく形です。イギリスはヨーロッパの中でも、より資本主義側の仕組みだと思います。
NEST Pension詳細
さて、NESTの話に戻ります、社員5%、雇用主3%、政府からのTax控除20%が振り込まれ、そこから、積み立て時の1.8%の手数料、マネージメント手数料0.3%を引かれます。実際に引き出せるのは国民年金をもらえる年齢―10年ということで、今は55才、2028年には57才になります。
何もしなくても給料の3%を入れてくれるので、絶対やった方がいいと思います。上記の年齢に達するともらえるので、後でもらえないのではと心配してOpt outして払い込みをしていない人が自分の周りにも居て、絶対入れた方がいいよと言ってます。
もちろん、自分が死んだ場合は、生命保険と同じように受け取り人(Beneficiary)を指定しておけば、積み立てした分は遺産相続されます。
就職して、NESTを始めた際にやること。
会社がNESTを使っていると言われた場合、やることは幾つかあります。一つはどのインベストメントにするか、もう一つはBeneficiary(受取人)の指定です。
Investment Option
最初NESTを始めると自動的に、Nest Retirement Date Fundに入れられます、NEST曰く、99%がそのままらしいです。私的には、出来れば、安定したものよりも一番伸び率がいいものでと思って、すべてをHigher Risk Fundに入れてましたが、最近、Sharia Fund(イスラムファンド)の方が断然伸び率が高いことに気づき、そちらに移行しました。
Nest Retirement Date Fund (デフォルトファンド)
このファンドは4つのステップに分かれているらしく、最初のFoundationフェーズで、ここはあまりHigher Riskのインベストメントをしないらしい、どうせ年金は55才以上(将来は57才)にならないと出せないので、初めからHigher Riskファンドで良いと思うので、このフェーズは必要なしではと思います、だから、最初からHigher Risk ファンド、もしくはShariaファンドで良いと思います。
Foundation phase, Growth phase, Consolidation phase, Post-retirement phase
下記がNESTが提供するFundリストです。目的と、そのパフォーマンスにより決めるのですが、私はついつい結果を見てしまいます。
- Nest Retirement Date Fund
- Nest Ethical Fund
- Nest Sharia Fund
- Nest Higher Risk Fund
- Nest Lower Growth Fund
- Nest Guided Retirement Fund
Fund factsheets
このリンクから、各ファンドのPortfolioや、パフォーマンスのレコードが出てきます。

私の注目ファンド:Nest Sharia Fund
ちなみに私が注目しているイスラムファンドのNEST Sharia FundはHMBCのHSBC UCITS COMMON CONTRACTUAL FUND – ISLAMIC GLOBAL EQUITY INDEX FUNDを使っているようですが、セクター別のインベストメントの中身を見ると半分近くはテクノロジーとなっているので、最近他のファンドよりパフォーマンスが良いのも理解できます。

NEST Higher Risk Fund
最初はこれに入れていたのですが、Portfolioを見るとClimate Aware Equities Strategyが半分以上になっています、Climate Aware系のファンドとはいかにも政府のポリシーが強制されているようで、あまのじゃくの私は納得しかねます。

NESTでのインベストメントの選択及びBeneficiaryの記入
今まではNESTの説明でしたが、ここからは実際にログインして、変更必要なファンドの選択とBeneficiary設定のところの紹介をします。
まずは画面右上のLoginもしくはSign upをクリックします、

初めての時はアクセス時にはSignupが必要です。

一度登録した後はLoginから入ります。

Beneficiaryの記入変更は下記のところから、もし、離婚等変更があれば、忘れずに変更しないと、何かあった時に、NESTペンションは、ここに書き込んである受取人となりますので、ご注意下さい。

もし、別のファンドに変更したい場合は、ダッシュボード一番下のAdditional Fund Choicesからスイッチできます。

最後に
以上が私が見たイギリスで今、一番大きなNEST Pensionの情報になりますが、Work Place Pensionでも、会社のサイズが大きくなると別の年金会社を使うことが多いです、その際はどういったファンド選択があるかをご自分でご確認ください、また、いろいろと質問、不明なある方はプロであるファイナンシャルアドバイザーにご相談ください。

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